四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
四十肩・五十肩の症状チェック
四十肩・五十肩の症状は、主に3つの時期を経て進行します。ご自身の症状がどの段階にあるか確認してみましょう。
【第1期】炎症期
- じっとしていても鋭い痛みがある
- 特に夜間の痛みが強い(夜間痛)
- 特定の角度に動かすと激痛が走る
【第2期】拘縮期(こうしゅくき)
- 痛みは少し軽くなる
- 肩が固まって動かせる範囲が狭くなる
- 着替えや洗髪などの日常生活が困難
【第3期】回復期
- 痛みが徐々に和らぐ
- 固まっていた肩が少しずつ動くようになる
- 完全に回復するまでには長い時間がかかる
専門医が解説!四十肩・五十肩のよくある質問
Q. 四十肩・五十肩の主な原因は何ですか?
A. はっきりとした原因が特定できないことも多いですが、主に次のような要因が関与すると考えられています。
- 加齢による組織の変化: 肩関節を覆う腱板や関節包といった組織が硬くなり、炎症や癒着が起こりやすくなります。
- 小さな損傷の蓄積: 長年の仕事やスポーツによる肩の使いすぎが影響します。
- 血流の低下: 関節周辺の血行不良が炎症を引き起こすことがあります。
- 基礎疾患: 糖尿病や甲状腺の病気がある方は、発症リスクが高いことが報告されています。
Q. ただの肩こりとの違いは何ですか?
A. 肩こりは主に首から肩甲骨周りの筋肉の血行不良や疲労が原因ですが、四十肩・五十肩は関節自体を包む袋(関節包)の炎症です。そのため、肩こりではあまり見られない「腕が上がらない」「腕を後ろに回せない」といった、明らかな動きの制限(可動域制限)を伴うのが大きな違いです。
注意:その痛み、他の病気かもしれません
以下の症状がある場合、単なる四十肩・五十肩ではなく、腱板断裂や石灰性腱炎、頸椎の病気などが隠れている可能性があります。自己判断で放置せず、必ず整形外科を受診してください。
- 夜も眠れないほどの激しい痛みが続く
- 腕に力が入らない、物を落としてしまう
- 腕や指にしびれを感じる
- 転倒などのケガをきっかけに痛み出した
つらい肩の痛み、我慢しないでください
四十肩・五十肩は、適切な時期に適切な治療とリハビリテーションを行うことで、回復を早め、後遺症のリスクを減らすことができます。当院では、痛みの段階に応じた注射療法や物理療法、生活指導を組み合わせ、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案します。