■ シーバー病(踵骨骨端症)とは?
子どものかかとの痛みの原因として最も多いスポーツ障害
シーバー病(Sever病)とは、成長期の子どもに多く見られる踵(かかと)の骨の障害です。正式には「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」と呼ばれ、10歳前後のスポーツをしている男の子に多く見られます。
激しい運動を行う小学生の間で、「かかとの痛みが続く」「運動後に痛くなる」という症状があれば、シーバー病の可能性があります。
■ 原因
成長期特有の骨の未成熟と繰り返しの衝撃が原因
- 成長期の子どもの踵の骨(踵骨)は、完全に硬い骨ではなく、軟骨が多く含まれているため、衝撃に弱くなっています。
- ランニングやジャンプなどによって、踵に繰り返しのストレス(微細な外傷)が加わると、骨端(骨の端)部分に炎症が生じて痛みを引き起こします。
- 特に、サッカー、バスケットボール、陸上、体操などの競技をしている子どもに多く見られます。
- アキレス腱が硬い、扁平足、合わない靴なども発症のリスクを高める要因です。
■ 初期症状
日常生活では違和感程度、運動時に悪化することが多い
- かかとの軽い痛みや違和感
- スポーツや走ったあとに痛みが強くなる
- 朝は痛くないが、活動後に痛む
- 靴を履くとかかとが痛い
- 押すと痛みを感じる(圧痛)
痛みは左右どちらか一方、または両方のかかとに現れることもあります。初期のうちに気づいて運動量の調整やアイシングなどを行うことで、悪化を防ぐことが可能です。
■ 重篤な症状・進行するとどうなる?
長期間の運動制限や歩行障害につながることも
- 強い痛みにより運動が困難になる
- 歩くのもつらくなり、かばう歩き方になる
- 痛みが長引き、慢性化する場合がある
- アキレス腱やふくらはぎの筋肉にも二次的な影響
放置すると、スポーツ復帰までに数ヶ月かかるケースや、成長期の骨の発達に影響することもあるため、早期発見と適切な対応が重要です。
■ まとめ・保護者や指導者ができること
- 子どもが「かかとが痛い」と言い出したら、無理をさせずに運動を中止させる
- 病院での診断(整形外科、特に小児整形)を早めに受ける
- かかとに負担がかからないような靴の選び方やインソールの工夫
- ストレッチやアイシングを習慣に
- 予防のために運動前後のケアを重視する