■外反母趾とは?
足の親指が小指側に曲がり、関節が突出して痛みが出る疾患
外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指(母趾)が内側に曲がり、小指側に向かって変形する足のトラブルです。変形が進むと、親指の付け根が飛び出して赤く腫れ、痛みを伴うことがあります。
女性に多く見られますが、最近では子どもや男性にも増加傾向にあります。靴の選び方や足の使い方が主な原因とされ、放置すると歩行障害や関節炎などを引き起こすこともあるため、早めの対処が重要です。
■原因
足に合わない靴と足のアーチ構造の崩れが主な要因
- ハイヒールや先の細い靴による足先への圧迫
- 足の横アーチ(土踏まずの横のアーチ)が崩れて開張足(かいちょうそく)になることで、親指が外側に押し出されやすくなる
- 遺伝的な要因(扁平足、関節が柔らかい)も影響
- 長時間の立ち仕事や歩行負担
- 裸足文化から靴文化への移行も関連性あり
特に、靴の構造(幅、ヒール高、硬さ)と足の形が合っていない場合に発症しやすくなります。
■初期症状
見た目の変化と軽い痛みがサイン
- 親指の付け根(関節)が少し内側に突出している
- 歩行時や長時間の立ち仕事で親指の付け根に違和感や痛みがある
- 靴を履いたときに親指の側面が擦れて痛い
- 指が重なってくる、足が横に広がってきた感じがする
- 親指の付け根が赤くなる、タコや魚の目ができる
この段階で適切な靴の見直しやフットケアを始めることで、進行を抑制することが可能です。
■重篤な症状・進行するとどうなる?
歩行困難や関節変形、手術が必要な場合も
- 親指の角度が20度以上になると変形が中等度~重度とされる
- 靴を履くのが困難、歩くたびに激しい痛み
- 隣接する指(第2趾)が持ち上がり、重なり合う変形が起きる
- 炎症により関節が腫れ、**滑液包炎(かつえきほうえん)**を併発する
- 長期間放置すると、骨や関節の手術が必要になるケースも
変形が進むと、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、姿勢の乱れや膝・腰への悪影響も起こりやすくなります。
■まとめ・予防と対策のポイント
- 足に合った幅広で柔らかい靴の選定
- インソールや足底パッドでアーチをサポート
- 指のストレッチや足裏の筋力トレーニング(タオルギャザーなど)
- 立ち仕事が多い人は、こまめに足を休める習慣を
- 早めに整形外科で変形の程度を診断してもらうことが大切