お子さまの骨・関節・筋肉の専門家
小児整形外科のご案内
お子さまの成長過程で、骨や関節、筋肉に気になることはありませんか?
成長過程にある子供たちは、大人とは異なる特有の整形外科的な問題を抱えることがあり、早期診断と適切な治療が重要です。
「歩き方がおかしい」「よく転ぶ」「スポーツで痛がる」など少しでも違和感があれば、お気軽にご相談ください。
当クリニックでは、お子さま一人ひとりの状態に合わせた優しい治療を提供しています。
WEB予約にも対応しておりますのでご希望のお時間でご来院ください。
よくある疾患
成長痛
原因骨が急激に成長する際、周りの筋肉や腱の成長が追いつかず、そのアンバランスから痛みが生じると考えられています。特に夕方から夜間にかけて、膝やふくらはぎ、すねの痛みを訴えることが多いです。
治療基本的に病気ではないため、特別な治療は不要です。痛む部分を優しくマッサージしたり、温めたりすることで和らぎます。保護者の方が「大丈夫だよ」と安心させてあげることが何よりの薬になります。
O脚(がに股)
原因2歳くらいまでの幼児には、生理的なO脚が見られることが多く、これは正常な発育過程です。両足をそろえて立った時に、両膝の間に指が2本以上入る状態を指します。
治療ほとんどの場合、成長とともに自然に矯正され、特別な治療は必要ありません。ただし、2歳を過ぎても改善しない場合や、左右差が著しい場合は、他の病気が隠れている可能性もあるため、一度ご相談ください。
X脚(内股)
原因3歳から5歳頃によく見られる脚の状態で、O脚の時期が終わった後に一時的にX脚になることが多いです。これも成長過程の一環であることがほとんどです。
治療7歳頃までには自然に改善することが多いため、基本的には経過観察となります。極端なX脚や、痛みを伴う場合は、インソール(足底板)の使用や運動療法を検討することがあります。
発育性股関節形成不全
原因生まれつき股関節の屋根(臼蓋)の作りが浅かったり、関節が不安定だったりする状態です。女の子、骨盤位(逆子)での出産、家族歴などがリスク因子とされています。
治療乳児健診での早期発見が非常に重要です。生後数か月以内に発見されれば、リーメンビューゲルという装具による治療で良好な結果が期待できます。発見が遅れると、入院や手術が必要になることがあります。
膝蓋骨脱臼
原因スポーツなどで膝を捻った際に、膝のお皿(膝蓋骨)が外側に外れてしまうケガです。元々お皿が収まる溝が浅いなどの骨格的な要因を持つ人に起こりやすい傾向があります。
治療多くは自然に元の位置に戻りますが、戻らない場合は病院での整復が必要です。初回はギプスや装具で固定し、安静にします。脱臼を繰り返す(反復性脱臼)場合は、手術を検討することもあります。
脊柱側弯症
原因背骨が横に弯曲する病気です。原因不明の「特発性側弯症」が最も多く、特に思春期の女子に好発します。多くの場合、痛みなどの症状はありません。
治療学校の健診などで発見されることが多いです。弯曲の角度や進行度、年齢によって治療法が異なります。軽度の場合は経過観察、進行するようであれば装具療法、角度が大きい場合は手術療法が選択されます。
成長板損傷(骨端線損傷)
原因子供の骨の両端には、骨が成長するための軟骨の層(成長板・骨端線)があります。この部分は大人よりも弱いため、転倒やスポーツなどのケガで骨折を起こしやすい部位です。
治療骨のズレが少ない場合はギプス固定で治療します。ズレが大きい場合や、関節に近い部分の損傷では、将来の成長障害(変形や短縮)を防ぐために手術が必要になることもあります。
ペルテス病(大腿骨頭壊死)
原因太ももの付け根の骨(大腿骨頭)への血流が一時的に途絶え、骨が壊死してしまう病気です。はっきりとした原因は不明で、4歳から10歳くらいの活発な男の子に多く見られます。
治療壊死した骨が再生し、元の丸い形を取り戻すことが治療の目標です。年齢や壊死の範囲に応じて、運動制限や装具療法、入院しての牽引治療、手術などが行われます。
オスグッド病
原因サッカーやバスケットボールなど、ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツをしている成長期の子供に多い、膝下の骨(脛骨)が出っ張って痛むスポーツ障害です。太ももの前の筋肉が、膝のお皿を経由して付着する部分が、繰り返しの牽引力で炎症を起こします。
治療基本は安静です。スポーツ活動を一時的に中止または軽減し、痛みが強い場合はアイシングを行います。ストレッチやリハビリで、太ももの筋肉の柔軟性を高めることが再発予防に繋がります。