膝の裏の腫れ・違和感・曲げにくい
ベーカー嚢腫とは?膝の裏の腫れ・しこりの原因
ベーカー嚢腫は、膝の裏にある滑液包に液体が溜まり、ピンポン玉のようなしこりができる疾患です。変形性膝関節症などの関節内病変により関節液が過剰に分泌され、膝裏に漏れ出すことで生じます。膝の曲げにくさや圧迫感を感じることが多く、根本原因である膝関節の炎症治療と合わせて対応する必要があります。
このような症状はありませんか?
初期症状
- 膝の裏に柔らかいコブのような腫れがある(ゴルフボール〜テニスボール大になることも)
- 膝を深く曲げると、膝裏に圧迫感や痛みを感じる
- 正座や和式トイレが使いにくい
- 膝裏が突っ張って、膝を完全に伸ばしにくい
重症化した場合・放置した場合のリスク
嚢腫が大きくなると神経や血管を圧迫し、ふくらはぎの痛みやしびれを引き起こすことがあります。また、稀に嚢腫が破裂することがあり、その場合はふくらはぎに激痛と強い腫れが生じ、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)と似た症状が出るため、早急な鑑別診断が必要です。
原因(なぜ痛くなるのか)
ベーカー嚢腫はあくまで「結果」であり、背景に別の膝の病気があることがほとんどです。
当院の治療法・アプローチ
保存療法・リハビリテーション
「腫れを抜くこと」よりも「元の炎症を抑えること」が重要です。
- 穿刺(水抜き): 腫れが大きく痛みが強い場合は、注射針でたまった液体を抜きます。一時的に楽になりますが、元の炎症が治まらないと再発しやすいです。
- リハビリテーション: 原因となっている変形性膝関節症などのリハビリ(筋力強化、可動域訓練)を行い、関節への負担を減らして炎症を沈静化させます。
物理療法・薬物療法など
- 薬物療法: 炎症を抑える湿布や消炎鎮痛剤を使用します。
- ステロイド注射: 水を抜いた後に、炎症止めの薬を注入して再発を防ぐこともあります。
手術が必要なケースについて
嚢腫単独の手術は再発率が高いためあまり行われません。ただし、原因となっている半月板損傷などの手術を行う際に、同時に処置することはあります。稀なケースですが、腫瘍との鑑別が必要な場合はMRI検査が可能な病院へ紹介します。
まとめ
膝の裏のコブは、膝からの「SOSサイン」です。水を抜くだけでなく、なぜ水がたまるのかを診断し、根本的な膝の治療を行うことが大切です。気になるしこりがあればご相談ください。
