ぎっくり腰(急性腰痛症・腰部筋肉挫傷)とは?
~突然の激しい腰痛に悩まされていませんか?~
■ 概要
いわゆる「ぎっくり腰」とは、正式には急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)、または腰部筋肉挫傷(ようぶきんにくざしょう)と呼ばれる状態で、突然起こる強い腰の痛みを指します。
何かの動作をきっかけに、腰の筋肉や靭帯、関節包などの軟部組織に過度な負荷がかかり、小さな損傷や炎症を起こすことで、激しい腰痛が生じます。多くは数日から数週間で回復しますが、痛みの程度は非常に強く、動けなくなるほどのこともあります。
「魔女の一撃」とも表現されるほど、急激で鋭い痛みが特徴です。
■ 原因
ぎっくり腰の原因は様々ですが、多くの場合は日常の何気ない動作によって引き起こされます。以下のような要因が背景にあることが多く見られます:
- 重い物を持ち上げた瞬間:姿勢が悪い状態で持ち上げると腰に負荷が集中します。
- 体をひねったり、中腰になった瞬間:急激なねじりや不自然な姿勢がきっかけになることがあります。
- 運動不足や筋力の低下:特に体幹や腰回りの筋肉が弱いと腰椎を支えきれなくなります。
- 寒さや疲労の蓄積:筋肉が硬くなりやすい環境では、些細な動きでも損傷を起こしやすくなります。
- 姿勢の悪さや慢性疲労:長時間の座り作業や立ちっぱなしが続いた後に突然の動きが入ると発症しやすいです。
■ 主な症状
ぎっくり腰の主な症状は、突発的に生じる鋭い腰の痛みです。その他にも、以下のような特徴がみられます:
- 動作時の激痛:立ち上がりや前かがみ、寝返りなど、日常の基本動作が困難になるほどの痛み。
- 安静時でも痛みがあることがある:特に発症直後は、少し動いただけでも痛みが増強することがあります。
- 腰が固まって動かない感じ:筋肉が防御反応で硬直し、腰の可動域が著しく制限されます。
- 左右非対称の違和感:片側に強く痛みを感じるケースもあります。
なお、足のしびれや感覚異常がないことがぎっくり腰の特徴の一つで、これがある場合は椎間板ヘルニアなど他の疾患を疑う必要があります。
■ 重篤な症状と注意すべきサイン
通常のぎっくり腰は数日~1週間程度で回復傾向を示しますが、以下のような場合は重篤な疾患が隠れている可能性がありますので、早期の受診をおすすめします。
- 足のしびれや脱力がある:神経に関わる障害が起きている可能性があります。
- 排尿・排便のコントロールができない:馬尾神経症候群などの重篤な神経障害の疑い。
- 発熱や原因不明の体調不良がある:脊椎感染症(脊椎炎)などの可能性もあります。
- 安静にしても痛みがまったく引かない:骨折や腫瘍の存在も否定できません。
これらの症状がある場合は、単なるぎっくり腰とは限らないため、MRIなどの精密検査が必要になることがあります。
■ 急な腰の痛みにお困りの方へ
ぎっくり腰は多くの場合、正しい処置と安静により自然に回復します。しかし、無理な動作や自己流のマッサージで悪化させてしまう方も少なくありません。当院では、正確な診断と適切な初期対応(消炎鎮痛処置・物理療法・リハビリ指導など)を行い、早期回復と再発防止を目指した治療を提供しております。
再発を繰り返している方には、姿勢や生活動作の改善指導・体幹トレーニングも行っています。
「急に腰が痛くなって動けない」「何度もぎっくり腰を繰り返している」という方は、早めにご相談ください。