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足底筋膜炎とは?

足底筋膜炎とは、足の裏にある「足底筋膜(そくていきんまく)」という腱のような膜に炎症が起き、かかとや土踏まずに痛みを生じる状態を指します。
足底筋膜は、歩行や立位時に足裏のアーチを支え、地面からの衝撃を吸収する重要な組織です。

この部分に繰り返し負担がかかることで、微細な損傷や炎症が蓄積され、朝起きた直後や長時間の歩行後などに、強い痛みを感じるようになります。
中高年に多く見られる疾患ですが、スポーツ選手や長時間立ち仕事をしている方にも発症しやすいのが特徴です。


原因

足底筋膜炎の主な原因は、足底筋膜に繰り返し過度な負荷がかかることです。以下のような要因が発症に関係しています。

  • 長時間の立ち仕事や歩行
    特に硬い床の上での作業や運動が多いと、足底筋膜への負担が蓄積されます。
  • 運動のやりすぎやフォーム不良
    ランニング、ジャンプを多く含むスポーツでのオーバーユースや、体に合わないフォームも原因となります。
  • 靴の不適合
    クッション性のない靴、土踏まずをサポートしない靴はリスクを高めます。
  • 加齢や筋力低下
    年齢とともに足裏の筋力や柔軟性が低下し、アーチ構造が崩れやすくなります。
  • 扁平足やハイアーチ(高すぎる土踏まず)など足の形状異常
  • 体重増加(肥満)
    足への荷重が増すことで、足底筋膜に大きなストレスがかかります。

初期症状

足底筋膜炎の初期段階では、以下のような症状が見られます。

  • 朝起きて一歩目にかかとが強く痛む
    最も代表的な症状で、しばらく歩くと痛みが和らぐことが多いです。
  • 長時間立った後や歩いた後に、足裏(特にかかと周辺)がズキズキ痛む
  • 足の裏に張りや違和感を感じる
    土踏まずが突っ張るような感覚を伴うこともあります。
  • 押すと痛いポイントがある
    特にかかとの内側付近に圧痛(押すと痛む)が集中します。

これらの症状を放置すると、痛みが慢性化し、活動量が制限されてしまうこともあります。


重篤な症状(進行または放置した場合)

足底筋膜炎を放置すると、以下のようなより深刻な症状や二次的な障害が起こる可能性があります。

  • 慢性痛への移行
    一時的な痛みではなく、常に足裏やかかとに痛みが出るようになり、歩行障害や日常生活への支障が生じます。
  • 足底筋膜の断裂や石灰化
    組織が慢性的に炎症を起こすことで、断裂や骨棘(こつきょく:骨のトゲ)を形成する場合があります。
  • 姿勢の崩れや他部位への負担
    足裏をかばう歩き方が、膝・腰・股関節の痛みや筋肉のアンバランスを招くことがあります。
  • 運動パフォーマンスの低下
    痛みによって十分なトレーニングができなくなり、競技や仕事に大きな影響が出ることもあります。

まとめ

足底筋膜炎は、足裏やかかとに慢性的な痛みを引き起こす非常に多い疾患のひとつです。
朝起きた直後の強いかかとの痛みや、長時間の歩行後の足裏の違和感は、足底筋膜炎のサインかもしれません。

原因としては、運動のしすぎ・不適切な靴・加齢・足のアーチ異常・体重増加などが関係しており、誰にでも起こり得る疾患です。

症状が軽いうちに、ストレッチ・足底への負担軽減(インソールや靴の見直し)・適切な休息と運動療法を取り入れることで、進行を防ぐことができます。

「最近、かかとや土踏まずが痛い」「足裏が張って違和感がある」という方は、早めに専門医に相談することをおすすめします。