成長痛とは
成長期の子どもに多い、夜間に起こる反復性の脚の痛み
成長痛(せいちょうつう)とは、主に3歳〜12歳の成長期の子どもに見られる、特定の疾患が確認できない反復性の脚の痛みを指します。
痛みは夕方から夜間にかけて出現し、朝には消えているのが典型的な特徴です。骨・関節・腱に明らかな異常が見つからず、日中は元気に過ごせるのが成長痛の大きな特徴です。
成長痛の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好発年齢 | 3〜12歳(幼稚園〜小学生) |
| 痛みの出る時間帯 | 夕方〜夜間・就寝中 |
| 主な痛みの部位 | 両脚のふくらはぎ・太もも・膝周り |
| 朝の状態 | 痛みが消えていることが多い |
| 検査所見 | X線・血液検査で異常なし |
重要:成長痛は診断名というよりも「他に原因がない反復性の夜間の脚の痛み」を指す概念です。痛みが強い・昼間も続く・腫れ・発熱を伴う場合は、別の疾患の可能性があります。
成長痛の原因
正確な原因はまだ解明されていない
成長痛の明確なメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、現在いくつかの仮説が考えられています。
考えられる主な原因・仮説
① 骨と筋肉の成長速度の差
骨が急速に伸びる一方で、筋肉や腱の成長が追いつかず、引っ張られることで痛みが生じるとされています。
② 日中の筋肉疲労の蓄積
子どもは日中に活発に走り回るため、筋肉疲労が蓄積し、夜間に痛みとして現れると考えられています。
③ 遺伝的要因
親や兄弟に成長痛の経験がある場合、発症しやすい傾向があるという報告があります。
④ 心理・情緒的要因
ストレスや不安など、心理的な要因が痛みの感じ方に影響する可能性も指摘されています。
成長痛の症状
夜間に両脚が痛む、朝になると消えるのが典型パターン
よくある症状
- 夕方〜夜間に脚が痛くなる
- 就寝中に痛みで目を覚ます
- 両脚に症状が出る(片脚だけの場合は要注意)
- ふくらはぎ・太もも・膝の周りが痛い
- 朝起きると痛みがなく、元気に学校へ行ける
- 痛みが数日おき、または数週間おきに繰り返す
成長痛では通常みられない症状
以下の症状は成長痛では通常みられないため、別の疾患を疑う必要があります:
- 関節や骨が腫れている
- 発熱を伴う
- 日中にも痛みが続く
- 体重減少・食欲低下・全身倦怠感がある
- 痛みが特定の一箇所に集中している
- 痛みがどんどん強くなっていく
- 歩行困難・跛行(びっこ)がみられる
成長痛と間違いやすい疾患
似た症状でも重篤な疾患が隠れていることがある
成長痛と似た症状を示す疾患は複数あります。整形外科での適切な診断が重要です。
鑑別が必要な主な疾患
| 疾患名 | 成長痛との違い |
|---|---|
| オスグッド病 | 膝下(脛骨粗面)の腫れと圧痛、運動時に痛い |
| シーバー病(踵骨骨端症) | かかとに圧痛、走ると悪化 |
| 骨腫瘍・骨肉腫 | 痛みが続く、夜間痛、腫れ、発熱 |
| 化膿性関節炎・骨髄炎 | 発熱・腫れを伴う、全身状態が悪い |
| 小児リウマチ(若年性特発性関節炎) | 朝のこわばり、関節の腫れ |
| 白血病などの血液疾患 | 全身倦怠感・体重減少・出血傾向 |
| ペルテス病 | 股関節痛、跛行 |
| 股関節炎(単純性) | 股関節・鼠径部の痛み、跛行 |
整形外科の受診をおすすめするケース:痛みが激しい・片脚だけ・腫れや発熱を伴う・2週間以上続く場合は、早めに整形外科を受診してください。
成長痛の診断方法
問診・身体診察とX線検査が基本
成長痛は「他に原因がない」ことを確認する除外診断が重要です。
当院で可能な検査
問診・身体診察
- 痛みの場所・時間帯・持続時間・日中の活動量を確認
- 関節・骨・筋肉の腫れや圧痛の有無を診察
レントゲン検査
- 骨折・骨腫瘍・骨端症などの器質的疾患を除外
- 成長痛では通常、異常所見がみられません
血液検査(必要時)
- 炎症反応(CRP・白血球数)・感染症・血液疾患の鑑別に使用
MRIについて
腱や軟骨、骨髄の詳細評価に有用です。当院にはMRIは設置していませんが、必要な場合は近隣の医療機関へ紹介し、検査を受けられるよう調整します。
成長痛の治療方法
特定の治療は不要なことが多く、痛みを和らげるケアが中心
成長痛には特効薬や手術は必要ありません。痛みが出たときの対処と生活習慣の改善が主体となります。
家庭でできるケア
① やさしくマッサージする
痛みのある部位(ふくらはぎ・太もも)を親御さんがやさしくマッサージすることで、筋肉の緊張が和らぎ、安心感も得られます。
② 温める
温タオルや温湿布で痛みのある部分を温めると、血行が改善され痛みが和らぎます。
③ ストレッチ(就寝前に行うと効果的)
ふくらはぎや太ももの筋肉をゆっくり伸ばすストレッチを就寝前に習慣化することで、夜間の痛みを軽減できることがあります。
④ 痛み止め(必要時)
痛みが強い場合は、アセトアミノフェン(カロナール等)の使用が選択肢となります。ただし長期連用は避け、必ず医師・薬剤師に相談してください。アスピリンは小児への使用を避けます。
当院で可能な治療
薬物療法
- 痛み止め(内服薬・外用薬)の処方
物理療法(当院で実施可能)
- 電気治療・温熱療法などを行っています
日常生活で気をつけること・予防
痛みを繰り返さないための生活習慣
適度な運動と十分な休息のバランスを保つ
激しい運動を急に増やすと痛みが強くなることがあります。運動後は十分に休息をとりましょう。
就寝前のストレッチを習慣化する
ふくらはぎ・太ももの筋肉をのばすストレッチを毎晩の習慣にすることで、夜間の痛みを予防・軽減できます。
栄養バランスの良い食事
骨や筋肉の健康を保つために、カルシウム・ビタミンD・たんぱく質を意識した食事を心がけましょう。
子どもへの声かけ・精神的サポート
痛みで泣いている子どもに寄り添い、「大丈夫だよ」と声をかけながらマッサージをしてあげることが、精神的な安心につながります。成長痛は心理的なストレスが影響することもあるため、精神的サポートも重要です。
こんなときは早めに受診を
受診を検討すべき症状
以下に当てはまる場合は、成長痛以外の疾患を疑い、早めに整形外科を受診してください。
- 痛みが2週間以上続いている
- 昼間も痛みが引かない
- 発熱・腫れ・発赤を伴う
- 特定の一箇所だけが痛い(片脚のみ)
- 歩き方がおかしい(跛行)
- 体重が減っている・全身がだるそう
- 夜間痛が非常に強く、起き上がれない
- 痛みがどんどん悪化している
救急・緊急受診が必要な場合
- 高熱と関節の腫れ・激痛が同時にある(化膿性関節炎の疑い)
- 強い外力の後から急に痛みが始まった(骨折の疑い)
東陽町・江東区で子どもの脚の痛みが続く方へ
東陽町周辺で「子どもが夜に脚が痛いと泣く」「これは成長痛?それとも病気?」と不安に感じている保護者の方は、ぜひ当院へご相談ください。
当院ではレントゲン検査・血液検査(必要時)を行い、成長痛と他の疾患の鑑別を丁寧に行います。MRIや高度な治療が必要な場合は、近隣の医療機関・高次医療機関へ紹介する体制を整えています。
まとめ
成長痛は3〜12歳の子どもに多くみられる、夜間の反復性の脚の痛みです。明確な原因はまだ解明されていませんが、骨と筋肉の成長速度の差や筋肉疲労が関係していると考えられています。朝になると痛みが消え、検査で異常がみられないのが特徴です。
家庭でのマッサージ・温め・ストレッチが有効ですが、発熱・腫れ・昼間の痛み・片脚だけの痛みがある場合は他の疾患の可能性があるため、早めに整形外科を受診することが重要です。
FAQ
Q1. 成長痛は何歳まで続きますか?
多くの場合、思春期を過ぎると自然に改善します。一般的には3〜12歳(幼稚園〜小学校高学年)に多く見られ、中学生以降は自然に消えていくことがほとんどです。
Q2. 成長痛は毎晩起こりますか?
毎晩続くわけではなく、数日〜数週間おきに繰り返すのが典型的です。連日続く場合や昼間も痛む場合は別の疾患の可能性があります。
Q3. 成長痛で病院に行く必要はありますか?
軽度であれば家庭でのケアで対応できますが、痛みが強い・2週間以上続く・腫れや発熱を伴う場合は整形外科を受診してください。
Q4. 成長痛に効くストレッチはありますか?
就寝前のふくらはぎ・太もものストレッチが有効とされています。痛みが出る前に習慣化するのが理想的です。
Q5. 成長痛と診断されたのに痛みが続きます。どうすればいいですか?
成長痛の診断は除外診断であるため、症状が変化したり悪化する場合は再受診をおすすめします。見落とされがちな疾患(骨端症・骨腫瘍など)がないか、改めて確認することが大切です。
Q6. 成長痛は男の子と女の子で違いはありますか?
成長痛は男女ほぼ同様に見られます。ただし、成長の時期は女の子がやや早い傾向があるため、痛みが出る時期も少し異なることがあります。
Q7. 成長痛で骨が変形することはありますか?
成長痛そのものが骨の変形を引き起こすことはありません。ただし、成長痛と思っていたものが別の疾患(オスグッド・シュラッター病など)だった場合、適切な治療が遅れると骨の変形が生じることがあります。
Q8. 夜中に泣くほど痛がっています。救急に行くべきですか?
痛みで泣く程度であればまず家庭でのマッサージ・温めを試み、翌日に整形外科を受診してください。ただし、高熱・関節の著明な腫れ・歩けないほどの激痛がある場合は救急受診をおすすめします。
Q9. 成長痛に市販の痛み止めを使ってもいいですか?
アセトアミノフェン(カロナール等)の成分を含む小児用の市販薬を適切な用量で使用することは可能です。ただし長期連用は避け、使用前に薬剤師または医師にご相談ください。
Q10. 東陽町・江東区で子どもの整形外科を受診できますか?
当院(東陽町リハビリ整形外科クリニック)では小児の整形外科診療を行っています。子どもの脚の痛みが続く場合は、お気軽にご相談ください。