肋間神経痛

肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)は、肋骨と肋骨の間を走る「肋間神経」が何らかの原因で刺激・圧迫されることにより、胸部・脇腹・背中にかけて痛みが生じる症状の総称です。

病名ではなく「症状の名前」であり、その背景にはさまざまな原因が存在します。多くは神経への機械的な刺激が原因ですが、帯状疱疹(ヘルペスウイルス)や内臓疾患が原因となることもあります。痛みの原因を正確に診断することが、適切な治療への第一歩です。


肋間神経痛の原因

肋間神経が刺激・圧迫されることで痛みが生じます。原因はさまざまで、大きく「一次性(原因不明)」と「二次性(原因が特定できる)」に分類されます。

主な原因

  • 帯状疱疹(ヘルペスウイルスの再活性化):肋間神経痛の中でも特に多い原因のひとつ。皮膚に水疱が出る前から強い痛みが出ることがあります
  • 胸椎・肋骨の変形や骨折:加齢による胸椎の変形、骨粗しょう症による圧迫骨折など
  • 姿勢の悪化・筋肉の緊張:長時間の前かがみ姿勢や猫背により、神経が圧迫されやすくなります
  • 外傷:肋骨への打撲や骨折の後遺症
  • 腫瘍・内臓疾患:まれに胸部の腫瘍や心臓・肺・消化器疾患が原因になることがあります
  • 原因不明(一次性):検査をしても明らかな原因が見つからないケースもあります

帯状疱疹との関係

帯状疱疹は、過去に水ぼうそうにかかった方の体内に潜伏していたウイルスが、免疫力の低下をきっかけに再活性化することで起こります。肋間神経に沿って痛みやしびれが生じ、数日後に皮膚に赤い発疹・水疱が現れます。皮膚症状が出る前の段階では肋間神経痛と区別がつきにくいため、注意が必要です。帯状疱疹が疑われる場合は、皮膚科や内科での診察も必要になります。


肋間神経痛の症状

胸部・脇腹・背中に沿って走るような痛みが特徴的です。

よくみられる症状

  • 肋骨に沿った帯状の痛み(片側に出ることが多い)
  • 深呼吸・咳・くしゃみで痛みが強くなる
  • 体をひねる・腕を上げる動作で痛む
  • 特定の部位を押すと鋭い痛みがある
  • 安静時にも持続する鈍い痛みやしびれ

帯状疱疹による肋間神経痛の特徴

  • 皮膚に赤い発疹・水疱が帯状に出る(片側のみ)
  • 皮膚症状が出る前から強いピリピリとした痛みがある
  • 皮膚が触れるだけで痛む(アロディニア)

注意すべき症状

以下の症状がある場合は、内臓疾患や重大な疾患が隠れている可能性があります。早急に医療機関を受診してください。

  • 息苦しさ・呼吸困難
  • 胸の中央が締め付けられるような痛み(狭心症・心筋梗塞の可能性)
  • 発熱を伴う胸痛
  • 体重の急激な減少
  • 痛みが日に日に強くなる

肋間神経痛の検査

症状と身体診察を基本に、原因疾患を特定するための検査を行います。

主な検査

  • 身体診察:痛みの部位・範囲・皮膚の状態・呼吸音を確認
  • X線検査:骨折・胸椎の変形・肺の異常を確認
  • 血液検査:炎症の有無・帯状疱疹ウイルスの確認
  • MRI・CT検査:神経圧迫の部位・腫瘍・内臓疾患の評価(必要時は専門機関へ紹介)

肋骨骨折との見分け方

肋間神経痛と肋骨骨折はどちらも「深呼吸で痛みが強くなる」という共通点があります。骨折では骨折部位への直接的な圧痛が強く出ますが、確実な鑑別にはX線検査や医師の診察が必要です。自己判断せず、受診することをお勧めします。

MRI・CT検査について

東陽町リハビリ整形外科クリニックにはMRI・CT設備はありません。

必要な場合は、近隣の医療機関へ紹介し、適切な検査が受けられるよう体制を整えています。


肋間神経痛の治療

原因に応じた治療を行うことが基本です。多くは保存療法で改善が期待できます。

保存療法(手術以外の治療)

薬物療法

痛みや神経の炎症を抑える薬を使用します。帯状疱疹が原因の場合は抗ウイルス薬が必要となるため、皮膚科・内科との連携が重要です。神経痛に対応した薬なども含め、症状に応じて医療機関で判断されます。

物理療法(当院で実施)

  • 電気治療
  • 温熱療法

神経の炎症を和らげ、痛みの緩和を目的とした補助的な治療です。

生活指導

姿勢の改善(猫背・前かがみを避ける)、長時間同じ姿勢を続けないための動作指導など。

リハビリについて

当院には理学療法士は在籍しておらず、運動療法は行っていません。

物理療法を中心に、痛みや症状の軽減をサポートします。

手術が必要な場合

  • 腫瘍など器質的な原因がある
  • 保存療法で改善しない重篤な神経症状がある

当院では大きな手術は行っていません。

必要時は高次医療機関へ紹介し、適切な治療につながるようサポートします。


肋間神経痛の予防とセルフケア

姿勢や生活習慣の見直しが、症状の予防・悪化防止につながります。

予防のポイント

  • 猫背・前かがみの姿勢を改善する
  • 長時間同じ姿勢を続けない(デスクワーク時はこまめに休憩)
  • 体を冷やさないようにする(神経痛は冷えで悪化しやすい)
  • 免疫力を低下させない(帯状疱疹予防のためにも規則正しい生活が大切)
  • 帯状疱疹ワクチンの接種を検討する(50歳以上の方に推奨)

自宅でできるセルフケア

  • 患部を温めて血流を促す(急性期や炎症が強い時期は避ける)
  • 深呼吸を意識的に行い、胸郭の動きを維持する
  • 痛みが強い場合は無理せず安静にする
  • 皮膚に発疹が出た場合は早めに皮膚科・内科へ受診する

受診のタイミング

「様子を見ていれば治るだろう」と放置してしまいがちですが、原因によっては早期治療が重要です。

受診を検討すべき症状

  • 胸部・脇腹・背中に沿った痛みが続いている
  • 深呼吸や咳で痛みが強くなる
  • 皮膚に発疹・水疱が出てきた
  • 痛みで睡眠や日常生活に支障がある
  • 打撲後から胸の痛みが続いている

息苦しさや胸の締め付けなど緊急性が疑われる症状がある場合は、すぐに救急へご連絡ください。

東陽町周辺で胸部・脇腹・背中の痛みにお悩みの方も、気軽にご相談ください。


当院でできること

診察・X線検査・物理療法を中心に対応し、必要時は専門医療機関へ紹介します。

当院の対応内容

  • 診察
  • X線検査
  • 血液検査
  • 物理療法(電気治療・温熱療法)
  • 症状に応じた薬物療法の提案
  • MRI・CT検査・手術・他科受診が必要な場合の紹介体制

東陽町リハビリ整形外科クリニックでは、地域の方が安心して受診できる環境を整えています。


まとめ

肋間神経痛は、肋骨に沿って走る肋間神経が刺激・圧迫されることで胸部・脇腹・背中に痛みが生じる症状の総称です。原因は帯状疱疹・姿勢の悪化・外傷・骨の変形など多岐にわたり、まれに内臓疾患が背景にあることもあります。原因を正確に診断したうえで治療を行うことが大切です。当院では診察・X線検査・血液検査・物理療法を中心に対応し、MRI・CT検査や他科受診が必要な場合は適切な医療機関へ紹介しています。


FAQ

Q1. 肋間神経痛は自然に治りますか?

A. 原因によって異なります。姿勢や筋肉の緊張が原因であれば改善することもありますが、帯状疱疹や骨の変形が原因の場合は適切な治療が必要です。放置すると慢性化することもあるため、早めの受診をお勧めします。

Q2. 肋骨骨折との違いは何ですか?

A. どちらも深呼吸や咳で痛みが強くなりますが、肋骨骨折では骨折部位への直接的な強い圧痛が特徴です。自己判断は難しいため、X線検査を含む医師の診察で確認することが重要です。

Q3. 帯状疱疹かどうかはどうやって分かりますか?

A. 皮膚に赤い発疹や水疱が帯状に現れることで判断できますが、皮膚症状が出る前の段階では区別がつきにくいことがあります。ピリピリとした強い痛みが片側の胸部に出ている場合は、帯状疱疹の可能性も考慮して受診することをお勧めします。

Q4. 何科を受診すればいいですか?

A. まずは整形外科への受診が基本です。帯状疱疹が疑われる場合は皮膚科・内科、胸痛に呼吸困難などが伴う場合は内科・救急が適しています。当院では診察のうえ、必要に応じて適切な科へご紹介します。

Q5. 当院でリハビリは受けられますか?

A. 理学療法士による運動療法は行っていませんが、電気治療・温熱療法などの物理療法を実施しています。

Q6. MRI・CT検査はできますか?

A. 当院にはMRI・CT設備はありません。必要時は近隣の医療機関へ紹介します。

Q7. 帯状疱疹ワクチンで予防できますか?

A. 帯状疱疹ワクチンは発症リスクや重症化リスクを下げる効果があります。50歳以上の方に接種が推奨されており、帯状疱疹による肋間神経痛の予防策として有効です。接種については内科やかかりつけ医へご相談ください。

Q8. 痛みが長引く場合はどうすればいいですか?

A. 帯状疱疹後神経痛など、慢性化した神経痛は治療に時間がかかることがあります。痛みが長引く場合は放置せず、早めに医療機関を受診してください。当院でも診察のうえ、必要時は専門医療機関へご紹介します。

Q9. 胸の痛みは心臓の病気ではないですか?

A. 胸の締め付け感・圧迫感・息苦しさを伴う場合は、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患も疑われます。このような症状がある場合はすぐに救急へご連絡ください。肋間神経痛との鑑別のためにも、まずは医師の診察を受けることが大切です。

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