肋骨骨折

肋骨骨折は、胸部を取り囲む肋骨にひびや完全な骨折が生じた状態です。転倒・打撲・交通事故などの外力によって起こるケースが多いですが、骨粗鬆症がある高齢者では、くしゃみや軽い衝撃でも骨折が起こることがあります。

肋骨は全部で12対(左右各12本)あり、骨折が1〜2本であれば多くは保存療法で回復しますが、複数本が骨折している場合や、骨折した骨が肺や血管を傷つけている場合は緊急の対応が必要です。「たかが肋骨」と軽視せず、適切な診断を受けることが大切です。


肋骨骨折の原因

外からの強い衝撃が主な原因ですが、骨の状態によっては軽微な力でも骨折が起こります。

主な原因

  • 転倒・転落(高齢者に多い)
  • スポーツ中の接触・衝突(ラグビー・柔道・サッカーなど)
  • 交通事故(ハンドルやシートベルトによる胸部への衝撃)
  • 高所からの落下
  • 直接的な打撲(棚の角にぶつけるなど)

骨粗鬆症との関係

骨密度が低下している方は、くしゃみ・咳・軽い転倒といった日常的な動作でも肋骨骨折が起こることがあります。「骨折した記憶がないのに痛い」という場合も、骨粗しょう症による骨折が疑われます。特に高齢の女性は注意が必要です。


肋骨骨折の症状

呼吸のたびに痛みが走ることが特徴的です。

よくみられる症状

  • 胸部・脇腹の強い痛み
  • 深呼吸・咳・くしゃみで痛みが激しくなる
  • 体をひねる・前かがみになる動作で痛む
  • 骨折部位を押すと強い圧痛がある
  • 安静にしていても鈍い痛みが続く

注意すべき症状

以下の症状がある場合は、気胸をはじめ肺や血管などへの損傷が疑われます。速やかに救急・高次医療機関を受診してください。

  • 呼吸困難・息苦しさ
  • 血痰(血が混じった痰)が出る
  • 胸部が陥没している・左右で動きが非対称
  • 顔色が悪い・脈が速い・血圧が低い
  • 複数本の肋骨が骨折している可能性がある

肋骨骨折の検査

骨折の有無・程度・合併症の確認のために検査を行います。

主な検査

  • 身体診察:圧痛の部位・呼吸音・胸郭の動きを確認
  • X線検査:骨折の有無と位置を確認。ただし、ひびや一部の骨折はX線では映らないことがあります
  • CT検査・MRI検査:X線で確認できない骨折や、肺・血管への損傷を評価(必要時は専門機関へ紹介)

X線で映らない骨折について

肋骨骨折はX線検査で確認できないケースが少なくありません。「レントゲンで異常なし」と言われても、強い痛みが続く場合はCTやMRIによる追加検査が必要なことがあります。症状が強い場合は遠慮なくご相談ください。

MRI・CT検査について

東陽町リハビリ整形外科クリニックにはMRI・CT設備はありません。

必要な場合は、近隣の医療機関へ紹介し、適切な検査が受けられるよう体制を整えています。


肋骨骨折の治療

1〜2本の単純骨折であれば、多くは保存療法で回復が期待できます。

保存療法(手術以外の治療)

薬物療法

痛みを抑える薬(鎮痛薬)を使用します。痛みを我慢して浅い呼吸が続くと肺炎のリスクが高まるため、適切な鎮痛は治療上も重要です。

固定・安静

胸部を固定するバンド(肋骨バンド・胸部固定帯)を使用し、骨折部への負担を軽減します。ただし過度な締め付けは呼吸を妨げるため、医師の指示に従った使用が大切です。

物理療法(当院で実施)

  • 電気治療
  • 温熱療法

痛みの緩和を目的とした補助的な治療です。

生活指導

無理な動作の制限、呼吸を妨げない姿勢の工夫、就寝時の体位指導など。

リハビリについて

当院には理学療法士は在籍しておらず、運動療法は行っていません。

物理療法を中心に、痛みの軽減をサポートします。

手術が必要な場合

  • 多発肋骨骨折(フレイルチェスト)
  • 肺・血管・心臓への損傷が疑われる
  • 骨折片が大きくずれている

当院では大きな手術は行っていません。

必要時は高次医療機関へ紹介し、適切な治療につながるようサポートします。

回復の目安

個人差はありますが、単純な肋骨骨折であれば一般的に4〜6週間で骨がつき始め、痛みが徐々に軽減していきます。ただし骨粗しょう症がある方や高齢者は回復に時間がかかることがあります。


肋骨骨折の予防とセルフケア

骨折後の過ごし方が回復を左右します。また骨粗しょう症のある方は再骨折の予防も重要です。

予防のポイント

  • 転倒予防(室内の段差解消・滑り止めマットの使用など)
  • 骨粗しょう症の早期発見・治療(骨密度検査の定期受診)
  • カルシウム・ビタミンDを意識した食生活
  • 適度な運動で骨密度と筋力を維持する
  • スポーツ時の適切なプロテクター着用

骨折後の自宅での注意点

  • 痛みがあっても浅い呼吸だけにせず、定期的にゆっくり深呼吸する(肺炎予防)
  • 咳が出やすい場合は骨折部位をタオルや枕で軽く押さえると楽になることがあります
  • 痛みがひどい場合は無理せず安静を保ち、早めに受診する

受診のタイミング

「打撲かもしれない」と思っていても、骨折している可能性があります。以下に当てはまる場合は早めの受診をお勧めします。

受診を検討すべき症状

  • 胸部・脇腹を打ったあとから痛みが続いている
  • 深呼吸や咳をすると鋭い痛みが走る
  • 特定の場所を押すと強く痛む
  • 高齢で転倒後から胸が痛い
  • 痛みで夜眠れない・日常生活に支障がある

息苦しさや血痰など緊急性が疑われる症状がある場合は、すぐに救急へご連絡ください。

東陽町周辺で胸部・脇腹の痛みにお悩みの方も、気軽にご相談ください。


当院でできること

診察・X線検査・物理療法を中心に対応し、必要時は専門医療機関へ紹介します。

当院の対応内容

  • 診察
  • X線検査
  • 血液検査
  • 物理療法(電気治療・温熱療法)
  • 症状に応じた薬物療法の提案・胸部固定帯の処方
  • CT・MRI検査・手術が必要な場合の紹介体制

東陽町リハビリ整形外科クリニックでは、地域の方が安心して受診できる環境を整えています。


まとめ

肋骨骨折は、転倒や打撲のほか、骨粗鬆症がある方ではくしゃみなどの軽微な衝撃でも起こります。深呼吸のたびに痛みが走る、胸部を押すと強く痛むといった症状は骨折のサインです。X線で映らないケースもあるため、痛みが続く場合は医療機関での評価が重要です。多くは保存療法で回復できますが、息苦しさなど緊急症状がある場合は速やかに対応が必要です。当院では診察・X線検査・物理療法を中心に対応し、CT・MRI検査や手術が必要な場合は適切な医療機関へ紹介しています。


FAQ

Q1. 肋骨骨折はレントゲンで必ずわかりますか?

A. いいえ。ひびや微細な骨折はX線では映らないことがあります。強い痛みが続く場合はCTやMRIによる追加検査が必要なこともありますので、症状が続く場合はご相談ください。

Q2. 肋骨骨折はどのくらいで治りますか?

A. 単純骨折であれば一般的に4〜6週間で骨がつき始めます。骨粗しょう症がある方や高齢者は回復に時間がかかることがあります。

Q3. 湿布や市販の痛み止めで様子を見てもいいですか?

A. 一時的な応急処置としては問題ありませんが、骨折の有無や合併症の確認のために医療機関での診察を受けることを推奨します。痛みを我慢して浅い呼吸が続くと肺炎のリスクが高まります。

Q4. コルセット(肋骨バンド)は必要ですか?

A. 骨折部位の安定と痛みの軽減に有効ですが、締め付けすぎると呼吸が妨げられます。使用方法は医師の指示に従ってください。

Q5. 当院でリハビリは受けられますか?

A. 理学療法士による運動療法は行っていませんが、電気治療・温熱療法などの物理療法を実施しています。

Q6. CT・MRI検査はできますか?

A. 当院にはCT・MRI設備はありません。必要時は近隣の医療機関へ紹介します。

Q7. 手術が必要になることはありますか?

A. 多発骨折や肺・血管への損傷がある場合は手術が必要なことがあります。当院では手術は行っていないため、必要時は高次医療機関へ紹介します。

Q8. 骨粗しょう症があると骨折しやすいですか?

A. はい。骨密度が低下していると、軽微な衝撃や咳・くしゃみでも肋骨骨折が起こることがあります。骨粗しょう症の治療と転倒予防が再骨折の予防につながります。

Q9. 息苦しさがある場合はどうすればいいですか?

A. 肺や血管への損傷が疑われます。すぐに救急へご連絡いただくか、高次医療機関を受診してください。

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