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キズ

キズの要点

一般に「キズ」と呼ばれる外傷には、刃物などで皮膚がまっすぐ切れる「切創(せっそう)」、鈍い力で皮膚が裂けるようにできる「裂創(れっそう)」、とがったものが刺さってできる「刺創(しそう)」などがあります。出血の程度や傷の深さによって、自宅での応急処置で済むものから、縫合などの医療処置が必要なものまでさまざまです。当院では、傷の状態に応じてテープでの固定や縫合の要否を判断したうえで、当院が力を入れている湿潤療法によって、痛みが少なく傷跡が残りにくい治癒を目指した治療を行っています。

キズの種類

切創(せっそう)

包丁やガラスの破片など、鋭利なもので切れた傷です。傷の縁が比較的まっすぐで、出血しやすいのが特徴です。

裂創(れっそう)

転倒などで頭をぶつけた際など、鈍い力によって皮膚が引き裂かれるようにできる傷です。傷の縁がギザギザになりやすいのが特徴です。

刺創(しそう)

くぎや画びょうなど、先のとがったものが刺さってできる傷です。傷口は小さく見えても、内部が深く傷ついていることがあるため注意が必要です。

キズの症状・確認しておきたいポイント

出血の程度

傷の深さや損傷した血管によって、出血の量は大きく異なります。

傷の深さ(脂肪・腱・神経に達していないか)

傷が浅い皮下組織にとどまっているか、脂肪層・腱・神経・骨にまで達しているかによって、必要な処置は大きく変わります。

指や関節の動き・感覚の異常

指を切った場合などは、指がきちんと動くか、しびれなど感覚の異常がないかも重要な確認ポイントです。腱や神経の損傷が疑われるサインです。

応急処置(自宅でのケア)

清潔な布やガーゼで圧迫止血する

出血している場合は、清潔な布やガーゼで傷口を直接、数分間しっかり圧迫します。可能であれば傷口を心臓より高い位置に上げると出血が抑えやすくなります。

水道水で傷を洗い流す

土や汚れが付着している場合は、水道水で洗い流します。消毒液は基本的に使用せず、傷を乾燥させないことが治癒を助けます。

圧迫しても出血が止まらない場合

5〜10分程度しっかり圧迫しても出血が止まらない場合や、血が噴き出すように出る場合は、速やかに医療機関を受診してください。

受診の目安

傷が深い・大きく開いている場合

傷の幅が広い、深さがあり脂肪組織が見えるなどの場合は、縫合やテープでの固定が必要になることがあります。

指の動き・感覚に異常がある場合

指がうまく曲げ伸ばしできない、感覚が鈍いなどの症状がある場合、腱や神経の損傷が疑われるため、早めの受診が必要です。

顔や関節部分のキズ

見た目や機能への影響が大きい部位のキズは、丁寧な処置が必要になるため受診をおすすめします。

汚染が強い・動物や人にかまれたキズ

土やさびで汚れているキズ、動物や人にかまれたキズは感染のリスクが高いため、放置せず受診してください。

破傷風の予防接種歴が不明な場合

汚れた傷や深い刺創では破傷風のリスクがあり、予防接種歴が不明な場合は医師にご相談ください。

当院での診察・治療の流れ

傷の状態の診察

傷の深さ、汚染の程度、指の動きや感覚などを確認し、テープによる閉鎖で十分か、縫合が必要かを判断します。

洗浄・異物除去

傷の中に異物が残っている場合は、丁寧に洗浄し取り除きます。

湿潤療法による治療

傷の閉鎖処置を行った後は、消毒を繰り返す従来の方法ではなく、傷を湿った状態に保つ被覆材を用いた湿潤療法で経過を見ていきます。痛みが少なく、傷跡が残りにくいとされる治療法です。

破傷風トキソイドなど必要な処置

汚染された傷や予防接種歴が不明な場合には、破傷風トキソイドの接種についてもご案内します。

通院での経過観察

傷の状態に応じて、被覆材の交換や抜糸などのための通院スケジュールをご案内します。

治った後のケア

保湿・紫外線対策

新しい皮膚は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け対策と保湿を心がけましょう。

傷跡が気になる場合

治癒後も傷跡の状態が気になる場合は、診察時にご相談ください。

キズ(切り傷・裂傷)は、当院の創傷外来(湿潤療法)で扱う代表的なけがのひとつです。すり傷については姉妹ページ「擦過傷」を、やけどについては「熱傷」もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 縫うことになりますか?

傷の深さや幅、部位によって異なります。浅く小さな傷であればテープでの固定で対応できることも多く、深く開いた傷では縫合が必要になる場合もあります。診察のうえで判断します。

Q. 血が止まらないときはどうすればいいですか?

清潔な布でしっかり圧迫し、それでも5〜10分程度止まらない場合は、圧迫を続けながら速やかに医療機関を受診してください。

Q. 消毒しなくて大丈夫ですか?

日常的な消毒は正常な細胞にもダメージを与え、治りを遅らせることがあるため、当院では傷の洗浄と湿潤環境の維持を中心とした治療を行っています。個々の傷の状態によって対応が異なる場合もありますので、診察でご確認ください。

Q. 破傷風の注射は必要ですか?

土やさびなどで汚染された傷、深い刺し傷などでは破傷風のリスクがあります。過去の予防接種歴が不明な場合は、診察時に医師にご相談ください。

まとめ・受診のご案内

キズは種類や深さによって必要な処置が大きく異なります。出血が止まらない、指の動きがおかしい、傷が深いといった場合は自己判断せず、当院の創傷外来(湿潤療法)を受診してください。

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