痛風発作の要点
痛風発作とは、関節にたまった尿酸の結晶が原因で起こる、突然の激しい関節炎のことです。多くの場合、足の親指のつけ根(第一中足趾節関節)に起こり、夜間や早朝に急激な痛み・腫れ・熱感が現れるのが特徴です。発作は数日〜1週間程度で自然に軽快することもありますが、根本にある高尿酸血症を放置すると繰り返しやすいため、発作時の適切な対処と、発作後の継続的な尿酸値管理の両方が重要です。
痛風発作の症状
典型的な症状の現れ方
ある日突然、関節に激しい痛みが生じ、赤く腫れ、熱を持ちます。歩けないほどの痛みになることも珍しくなく、痛みは発症から24時間以内にピークを迎える傾向があります。
起こりやすい部位
足の親指のつけ根(第一中足趾節関節)
痛風発作が最も起こりやすい部位です。
足首・膝・手指などの関節
親指のつけ根以外にも、足首、膝、手や足の他の関節に起こることがあります。
症状の経過
無治療でも数日から1〜2週間程度で症状が軽快することが多いですが、自然に治まったからといって高尿酸血症そのものが改善したわけではなく、繰り返し発作を起こすリスクは残ります。
痛風発作が起こるきっかけ
食事・飲酒
プリン体の多い食事やアルコール、特にビールの多飲は発作の引き金になりやすいとされています。
尿酸値の急激な変動
尿酸値が急に上がるときだけでなく、治療開始によって尿酸値が急激に下がるときも、関節にたまった結晶が剥がれ落ちて発作を誘発することがあります。
脱水・過労・ストレス・気温の変化
水分不足、過度な疲労やストレス、急な冷えなども発作のきっかけになることがあります。
けが・過度な運動
関節への物理的な刺激や、激しい運動も発作の誘因になることがあります。
発作が起きたときの対処法(セルフケア)
患部を安静にし、冷やす
痛む関節を動かさず、氷や保冷剤をタオルで包んで冷やすと痛みが和らぎやすくなります。温めるのは炎症を悪化させる可能性があるため避けましょう。
患部を高く上げる
可能であれば、痛む部位を心臓より高い位置に上げることで腫れの軽減に役立ちます。
アルコールを控える
発作中はアルコールの摂取を控えてください。
自己判断で尿酸値を下げる薬を急に始めたり中止したりしない
すでに尿酸値を下げる薬を服用している場合、発作中に自己判断で量を変更すると、かえって症状が長引くことがあります。すでに治療中の方は、通常どおりの服用を続けたうえで医師にご相談ください。
当院での診断・検査の流れ
問診・症状の確認
痛みが出た部位、発症の経過、食事・飲酒の状況、既往の発作歴などをお伺いします。
診察
関節の腫れ、熱感、可動域などを確認します。
血液検査
尿酸値や炎症反応(CRP等)を測定し、他の関節炎(感染性関節炎や偽痛風など)との鑑別の参考にします。
当院での治療方法
急性期(発作時)の治療
発作時には、炎症と痛みを速やかに抑えることを優先します。症状の程度や経過に応じて、消炎鎮痛薬(NSAIDs)、コルヒチン、必要に応じてステロイド薬などを使い分けて処方します。
発作がおさまった後の治療
急性期の炎症が落ち着いたら、発作を繰り返さないために、根本原因である高尿酸血症のコントロールに取り組みます。詳しい治療方針は姉妹ページ「高尿酸血症」で解説しています。発作中に尿酸値を下げる薬を新たに開始すると症状が悪化・遷延することがあるため、通常は発作が落ち着いてから、あるいは慎重な経過観察のもとで治療を開始・調整します。
発作を繰り返さないための生活習慣
食事・飲酒の見直し
プリン体の多い食品やアルコール、特にビールの摂取を控えめにします。
十分な水分摂取
尿酸の排泄を促すため、こまめな水分補給を心がけます。
適正体重の維持と適度な運動
肥満の改善や、無理のない有酸素運動の習慣化も、発作予防につながります。
定期的な通院と尿酸値のコントロール
発作を起こしたことがある方は、症状がない時期も含めて定期的に通院し、尿酸値を目標範囲内に維持することが、再発予防の基本です。
痛風外来(親ページ)とあわせてご覧ください
痛風発作は、高尿酸血症が背景にあって起こる急性の症状です。発作の根本原因や日頃の数値管理については、「高尿酸血症」もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 発作中でも尿酸値を下げる薬は飲んでいいですか?
すでに服用している場合は、自己判断で中止せず通常どおり続けてください。新たに薬を開始するかどうかは、発作の状態を見ながら医師が判断します。
Q. 何科を受診すればいいですか?
関節の激しい痛みや腫れが急に起こった場合は、当院の痛風外来にご相談ください。他の関節炎との鑑別が必要なこともあるため、早めの受診をおすすめします。
Q. 発作は放っておいても自然に治りますか?
数日〜1〜2週間で症状が軽快することもありますが、高尿酸血症自体が改善したわけではないため、繰り返しやすい状態が続きます。根本的な対策のためにも受診をおすすめします。
Q. 一度発作を起こすと繰り返しやすいですか?
はい。高尿酸血症のコントロールが不十分なままだと、発作を繰り返しやすいことが知られています。発作後も継続的な尿酸値の管理が重要です。
まとめ・受診のご案内
痛風発作は突然の激しい痛みで日常生活に大きな支障をきたします。発作時はまず安静と冷却を行い、できるだけ早く当院の痛風外来を受診してください。あわせて、発作を繰り返さないための高尿酸血症の管理にも取り組んでいきましょう。